こんにちは!しろうめず@ShiroUmezです。
先日タイムラインを眺めていたらこんなツイートが。
ちょっとしたメモです。/ 台風で光回線が断線!復旧までの道のりをメモ : まだ東京で消耗してるの? http://t.co/z9uB6B0dkCpic.twitter.com/5KdelPPYog
— イケダハヤト (@IHayato) 2015, 8月 28
プロブロガー・イケダハヤト氏のつぶやきですが、先日の台風によって自宅の光回線が断線、復旧までに2日かかったとの記事です。
光回線と聞いちゃあ黙っていられない。何を隠そう僕が勤める会社の業務は、光ケーブルの設計・架設・接続などを請け負うお仕事。このような緊急時は台風だろうと大雨だろうと、真夜中であろうとお構いなしにお呼び出しがかかるわけです。
というわけで今日は、災害などによる光回線断線時、どのような工程で光回線を復旧させているのかを、現場作業員側視点で書いてみたいと思います。
光回線の障害発生(断線)ポイントを調査
アラームやお客さんからの電話連絡によりプロバイダーが断線を把握
台風などで光ケーブルが断線した場合、そのケーブルの所有者or使用者の持つ局舎にてアラームが発生。担当者が障害を把握します。所有者・使用者とは電話会社や電力会社などの回線事業者のこと。プロバイダーですね。
もちろんお客さん側から「インターネットが繋がらなくなった」などと連絡を受ける場合もあります。アラームか直接連絡か、どちらが先かは回線の種類によって違います。
協力業者へ現地調査を要請
その後担当者は協力業者に断線箇所の特定を要請します。この時点で、僕たちのような下請け会社に連絡が来るわけです。高所作業車に乗り、「とりあえず」断線箇所らしき場所を目指して走ります。
この間、その光ケーブルのスタート地点となる局舎に別の人間が入所。専用の機械によって、断線ポイントの正確な距離を調べます。「とりあえず」と書いたのはこのためです。局舎にて正確な距離を測定するまでは、どこを目指して行ったらいいのかわからないため。
正確な断線ポイントがわかったら、断線ポイントに一番近い電柱の電柱番号を連絡してもらいます。電柱番号についてはコチラ↓
断線箇所の現地調査
ケーブル線路を巡視し、断線箇所を特定。ケーブル接続箇所(クロージャー)内の作業で済むのか、ケーブルを新しいものに張り替えなくてはいけないのか等を調査します。
電柱に乗っかってるケーブルを見ると、たまに黒や白の箱みたいなものがくっついてる場所があるのが判ると思います。これをクロージャーと呼び、この箱の中でケーブルとケーブルを繋ぎ合わせているのです。
このクロージャー内で、断線した線(光ファイバー心線)を別の生きている線に繋ぎ替えて済むなら簡単なのですが、ケーブルが思いっきりぶっちぎれてるとかそういった最悪な場合は新しいケーブルに張り替えなければいけなくなるわけです。
その場合、必要な材料(ケーブルドラム・クロージャー等)や道具、必要人員を準備し、いよいよ作業にかかります。
光回線復旧作業
準備が整ったら作業開始。断線したポイントを挟み、電柱から電柱へと新しいケーブルを伸ばしていきます。
余談ですが、断線にも種類・・・というか断線する原因がいくつかあるわけですが、今までにあった断線原因をいくつか書いてみます。
- 地震により電柱が倒壊し、断線
- 自動車が電柱に突っ込み倒壊し、断線
- 住宅火災により目の前を走っていたケーブルが燃え落ち、断線
- ケーブルを虫にかじられて断線
- 台風などの風により、ケーブルが揺れて電柱に擦られ、断線
ぱっと思い出せるのがこんなとこ。
この中で一番多いのがなんと言っても虫食い。田舎なもので、木の中をケーブルが走っている場所がいくつもあるんです。枝や葉っぱに包まれたケーブルに、虫が、何を勘違いするのか知りませんがムシャムシャとかじるんですよね。夏場は特に多いです。
さて、ケーブルを張り終えたら次は接続作業。クロージャーという接続用の箱を取り付け、古いケーブルと新しいケーブルを接続していきます(両端の2か所分)。
光回線開通試験をした後、回線復旧
クロージャー内で必要分の光心線を接続し終えたら、局舎(ケーブルのスタート地点)から開通試験を行います。
正しく接続ができているか、障害が無いかなどの最終チェック。問題が無ければ復旧完了です。
ケーブルを新設する距離や、天候、立地などにもよりますが、作業自体はおよそ2時間~長くて7・8時間(経験上)。光回線復旧作業なんてまさに「時は金なり」ですからね。いつもより大急ぎで行います。
【まとめ】スピード復旧を心掛けております
それこそ、インターネットをメインとして生活されてるイケハヤ氏のような方にとって、光回線とはまさに生命線。1分間断線しただけで莫大な損害を被ってしまう方々が、今の世の中数えきれないくらいいらっしゃるわけです。
このような緊急時、それはもう普段の持てる力を最大限に発揮してスピード復旧を心がけてますので、酒でも飲みながら気長に待っててくださいね。
以上、現場作業員しろうめず@ShiroUmezからのお願いで〆ときます。ではまた!
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