こんにちは、しろうめず@ShiroUmezです。
宇宙兄弟という漫画をご存知でしょうか?
2008年から「モーニング(講談社)」に連載されている小山宙哉さんの漫画で、宇宙飛行士となり宇宙を目指すとある兄弟のお話です。2年前にテレビアニメ化され、メジャーになりましたね。かく言う僕もテレビアニメで内容を知ったクチだったりします。
そのアニメ版の主題歌が僕の好きなアーティストだったこともあり、その頃から大好きな漫画のひとつなんですが、中でも僕にとって物凄く印象的なシーン・・・というかセリフがあるんです。
それは、宇宙飛行士を目指す二人、54歳の福田と、2歳になる娘を持つケンジの会話。お互いの娘のことを話していた際、不意に福田がケンジに問いかけます。
福田「娘さんの髪・・・といたことはある?」
ケンジ「え・・・ええ、2~3回」
福田「そうか・・・」
福田「たまにでも・・・といてあげた方がいい」
というもの。
娘の髪をとくということ
何気ない親子の日常
長女が産まれてからほぼ毎日、一緒にお風呂に入り、髪を洗い、お風呂から出たら娘を膝のうえに乗せ、ドライヤーで乾かす。ぶわーっと全体的に乾かし終えたら、ぼさぼさのその髪を、丁寧に櫛でといてあげる―――僕たち親子の何気ない日常です。もちろん、長女が終わったら次は次女。
先日、その様子を見ていた僕の母が、笑いながらこう呟いたんです。
母「アンタ、ほんと丁寧に(娘の髪を)とくんだねぇ。」
?・・・何を当たり前のことをこの婆さんは・・・と思ったんですが、その時ふと思い出したんですね。冒頭で書いた漫画のやり取りを。
後悔
宇宙に関わるという捨てきれない夢を、何年も何年も家庭を顧みないで追い続けた結果、とうとう妻に愛想を尽かされ三下り半を突き付けられてしまった福田。
当時幼かった娘は、母の交際相手をいつの間にか「おとうさん」と呼ぶようになっていた。がむしゃらに宇宙の夢だけを追い続けた福田は驚き、愕然とするわけです。何故なら、自分の作ったロケットが打ち上がる瞬間を娘に見せることが、彼の本当の夢だったから。
うーん、切ないですね。
離ればなれになってしまった娘はもう23歳。ろくにかまってやれなかった後悔を、若いケンジにもさせないようにとの老婆心からアドバイスしたのが、冒頭のやり取りだったわけです。
娘の髪をといてきてわかったこと
妙に印象に残ったそのシーンは、それからもふとしたときに僕の脳によみがえりました、度々。そんな時思うんです。あと、どれくらいこいつらの髪をといてやれるんだろうな、って。
もちろん、漫画の福田のように、子育てが出来なかった後悔なんてしたくありません。娘たちが巣立っていくそのときまで、これからも一緒に笑い、泣き、沢山のときを過ごしていきたいと思っています。
そう、わかってるんです。
巣立っていくんですよね。
巣立っていかなければいけないんです。いつかは。
僕はその時まで、丁寧に丁寧に、娘たちの髪をときます。あと何回とけるかはわかりません。それでも毎晩毎晩、当たり前のように髪をとくでしょう。
本当はずっとずっとといていたい。でもそうは言ってられねぇ。俺よりも丁寧に丁寧に、娘の髪をといてくれるヤツ。そんなヤツいるのかね?
そんなこと考えながら今日も二人の髪をとく、しろうめず@ShiroUmezでした。