子供は赤ちゃんの頃から、自分の感情や欲求を、泣くことによって表現しているといいます。赤ちゃんの泣き声を聞くと、大抵のお父さん・お母さんは赤ちゃんを抱っこして一生懸命あやしますよね?
すると、そんな子育て状況を目にした年配者は決まってこう言うんですよね。
「抱き癖がつくからすぐに抱っこするのはやめたほうがいい」って。
僕も言われたことあるんですが、ふと思ったんです。なんで子供に「抱き癖」をつけてはいけないの?と。そもそも抱き癖ってどんな癖?
そもそも抱き癖ってなに?
抱き癖とは
抱き癖とは、子供が乳児のころから、あやしたり寝かしつけたりするときにいつも抱っこをすることによって、抱っこしてあげないと泣き止まなかったり寝付かなかったりする癖がついてしまう事だと認識しています。
昔から言われてるの?
ちなみに手元にあった広辞林<第五版>で「抱き癖」というワードを調べてみたところ・・・ありませんでした。
なにしろこの広辞林、昭和54年発行のお宝クラス。その当時はまだ「抱き癖」という言葉は存在しなかったのか?
気になったので60代半ばの母に尋ねてみると、「抱き癖」という言葉は母が子育てをしていた当時(40年程前)もあったとの事でした。
今と同じく、「あまり一杯抱っこすると抱き癖がつくよ」と周囲によく言われたものだと。やはり当時も良くない癖、悪い癖として使われていたみたいです。
それより更に昔はどうだったのだろうかと気になったので調べてみたところ、興味深い記事が書かれているサイトを発見しましたので引用します。
実は「抱き癖」というのは戦後、アメリカなどの育児方法から生まれた言葉です。小さな頃から自立心を育てるために、赤ちゃんと両親は別室で寝る、赤ちゃんが泣いても、すぐに抱かない時間通りに授乳をする・・などの育児方法が、当時、欧米では推奨されており、この考え方が日本に伝わった際に女性の社会進出に伴って、育児の人手が不足したこともあり、日本でも抱き癖をよくないことと考える風潮が広まったのだとか。
外部リンク赤ちゃんブログ|赤ちゃんの子育てを支援します!より引用
こちらによると、「抱き癖」という言葉は戦後作られた言葉であるようです。
アメリカでは赤ちゃんの自立心を促すために、赤ちゃんと母親(両親)は別々の部屋で寝るというのは僕も以前聞いた事がありました。
なるほど、「抱き癖」という言葉と「抱き癖」は悪いものだとの風潮は、戦後(約70年程前)海の向こうからやってきたものだったんですね。
親とのコミュニケーション不足がサイレントベビーになる原因?
上記のサイト様でも書いてありますが、この「抱き癖」を付けないために抱っこを控える育児方法は、その後の調査により、感情や心が失われてしまう「サイレントベビー」を作ってしまう原因になっている可能性が高いのではないかとの結果がでて、現在は当時よりも「悪しき癖」として言われることは減っているようです。
サイレントベビーという言葉は、以前僕が読んだ「テレビを消したら赤ちゃんがしゃべった!笑った!―音と光が言葉遅れの子をつくる」という本で初めて目にしました。
親が子育てをテレビに任せてしまう事によって、子供が感情を表に出すことのできない、「サイレントベビー」となってしまうと紹介されていました。
「テレビ任せの育児」と「抱き癖を付けない育児」、どちらにも共通しているのが「親とのコミュニケーション不足」であると思うのですがどうでしょうか?
「親とのコミュニケーション不足」が、感情を表に出せない「サイレントベビー」を作ってしまっているというわけです。
「抱っこ」はオヤジ最強の育児
「抱っこ」は、父親の必殺技・最終兵器・決め技、即ちオヤジの為せる最強の育児であると僕は断言します。
母乳以外の全ての子育てを完璧にこなすスーパーオヤジもなかには勿論いるでしょう。それは当然、尊敬します。
しかし、平日は朝から晩まで仕事に追われ、帰宅後はとてもじゃないけど子育てなんて無理・・・。帰ったら既に子供は寝ているかもしれない。よって子育ては妻に任せっきりであるなんてオヤジも、まだまだ当たり前のように多いと思います。
僕の場合、幸か不幸か就労時間は大体定時に終わるので、帰宅後子供たちと触れ合う時間はしっかりとあります。
子供の就寝時間までに帰宅できない働き者のオヤジは、それはもうお疲れ様ですと言うしかないが、そうでないオヤジ、1日の中で少しでも子供と触れ合う時間がとれるオヤジであるならば、せめて、産まれたときから抱っこくらいはしまくってあげるべきだと僕は思うのです。
我が娘たち(現4歳なったばかりの長女と2歳目前の次女)は完全なる抱っこ星人です。オヤジを見るととにかく「抱っこ~」。
仕事から帰宅した瞬間、風呂前風呂上り、夕食中、歯磨き中、寝る前。
片方だけ抱くと片方が怒り出す事もしばしばなので、そんなときは両手でダブル抱っこ。当然しんどいです。筋肉痛になるし、腕が痺れる時もしょっちゅうあります。
ですが、求められれば可能な限り抱っこしてやります。何故なら、
いつ娘たちに愛想尽かされるかわからないから(切実)
抱っこが、自分にできる最強の愛情表現であるから。
まとめ
抱き癖が悪しき癖とされたのは、敗戦後日本のアメリカナイズ、高度経済成長期における女性の社会進出促進を主とした、戦後という時代背景による影響は大きいと思います。
忙しい女性を育児から少しでも解放させるために作られた「抱き癖は悪い癖」といった風潮。
ならばオヤジが抱いてやればいいんです。
現代のオヤジは戦後のオヤジたちよりずっと暇だしね(あ、僕だけ?暇なのって・・・)。
抱っこはなによりも手軽にできるオヤジ最強の愛情表現。抱き癖、筋肉痛万歳!
しろうめず@ShiroUmezでした。
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