こんにちは、しろうめず@ShiroUmezです。
以前、【マルチ商法に騙されやすい人、はまりやすい人の特徴とは?マルチ商法やねずみ講対策を考える】という記事を書きました。僕の身近な人が、あれよあれよとマルチ商法の手口に堕ちていく様子を書いたものです(実際は寸でのところで逃げ出せたみたいですけど)。
実際、マルチ商法や詐欺師・カルト宗教の勧誘者など(これらをひとくくりにまとめてしまうのは語弊があるかもしれませんが)の話を聞いているうちに、つい気付かぬうちに引きこまれてしまっていた・・・なんて話も珍しいことではありません。彼らは話術のプロなのです。
しかし、彼らが得意なのは話術だけではありません。話術のほかに、巧みな心理術を駆使していたのです。
今日は、今後僕たちがマルチ商法や詐欺などに騙されないようにするために、彼らが使う心理術とは一体どのようなものなのかを考えてみたいと思います。
人を騙すときに使う3つの代表的な心理術
先に言っておきますが、心理術とは人を騙す目的の術ではありません。本来は、人と人とのコミュニケーションを密にするためのスキルであり、優れたスキンシップの一つであると僕は解釈しています。
ただ、人の心理を巧みに利用し、それを悪いことに利用する輩がいるというお話。人が本来持っている内面的な感情・心理をついて、彼らはどうやって僕たちの心の中に入ってくるのでしょうか。
人を騙そうとする人間が使う、3つの代表的な心理術を紹介します。
恩を返そうと働く「返報性の原理」
人は誰でも他人にほどこしを受けたり親切にされたりすると、「お返しをしなければ」と恩を返そうという気持ちになるものです。
たとえば試食コーナー。試食をすると、なんとなく買わなければならないような気持ちになってきたりしませんか?勿論試食したからといって、その商品を買わなければならないなんて義務は更々無いのですが、これは心理学でいう「返報性の原理」をうまく利用したテクニックであるといえます。
人を騙そうとする人間はこの「返報性の原理」を巧みに使います。まず最初に、商品に高額な値をつけて売り込み、その後値下げをしてみせる。消費者は「値段を下げてもらった」という譲歩を受けたことにより「返報性の原理」が働き、「安くしてくれたんだから買ってあげるか・・・」という気持ちになるわけです。
しかし実際のその商品の価値は、値下げした金額よりも更に低いものであったりする・・・なんて、よくある詐欺ですよね。
騙されないための対策
なんとなく「お返しをしなければ・・・」という感情が芽生えたら、「この感情はもしかしたら返報性の原理によるものではないか?相手はこのテクニックを意図的に使っているのではないか?」と冷静に疑ってみること。
大事なのは、全ての人に「いい人」と思われようとしないこと。詐欺師はそこを突いてきます。
真面目な人ほど騙されやすい「一貫性の原理」
真面目な人ほど、自分の言動に矛盾があったりすると不愉快な気持ちになることが多いものです。こう言ったからには実行しなければな・・・と。これを「一貫性の原理」といいます。
たとえば「フット・イン・ザ・ドア」というテクニックがあります。これは訪問販売員が玄関先で「話だけでも聞いてくださいよ~」と懇願したとき、「まぁ話だけならいいか」とドアを開ける・・・すると訪問販売員は間髪入れずにその開いた隙間に足を突っ込みドアを閉めさせなくする・・・そこから営業を始めるわけです。
「ドアを開けて話だけでも聞いてやるか」という善意につけ込むのです。
そしてまず「これくらいなら買ってやるか」と思えるような小さな安い商品を勧め、買わせる。お客さん、それを買ってくれたならこの商品もオススメですよ!と、最初の商品に附随するような、高い品を勧めてくる。そして気付いたときには、とんでもなく高額な壺を買う羽目に・・・。
高額な壺を買わされないためには
今、自分はただ単に一貫性を保とうとしているだけではないか?と自問してみること。「ちょ、まてよ・・・必要か?本当に必要か?この壺・・・」と冷静に考えることが大事。
そして、「一度決めたからどうした!?考えなんて変えてしまえばいいじゃん!」と柔軟に考えること。自分は最初にこう言ったから・思ったからという気持ちを真面目に貫き通す必要は無いと考えるわけです。
初志貫徹という言葉があります。真面目な人ほど騙されやすいのは、この一貫性の原理を利用されやすいからなのです。
周りに合わせようとする「社会的証明の原理」
人は、周りと違う自分を恐れます。自分だけ浮いてやしないか、(今風に言えば)空気が読めているかと常に気にしたりします。そして「とりあえず周りの人と同じ事してれば安心」という心理が働き、周りに合わせようとするわけです。これを「社会的証明の原理」といいます。
「周りのみんながそう言ってるよ」なんて、よく小さい頃友達に言われたり、または言ったりしませんでしたか?みんなそう言ってるから信じろよ!みたいな。これは正に社会的証明の原理をうまく利用した言いくるめ方ですね。「みんな言ってるなら正しいのかも・・・」と思わせてしまう。
サクラという存在をご存知でしょうか。桜ではないですよ、サクラです。パチンコ屋の新装開店イベントの時などに、店側が雇った偽の客のこと。開店前に大勢で並んでみたり、店側の指定した高設定台(勝てる台)に座り沢山のコインを出す事によって、一般客に「ああ、この店すげー出してんな・・・。いい店かも。」と思わせるわけです。
これも社会的証明の原理を上手に利用したテクニックであるといえます。
サクラに騙されないためには
自分の意見・意思を持つこと。なんでもかんでも安易に他人に同調しないこと。モノの本質を見極める力を養うこと。
例えば上記のサクラの例でいうと、沢山並んでいることと、その店が自分にとって勝てる店であることはイコールではありません。サクラが沢山コインを出しているからといって自分も出せる保障などどこにもありません。要は「釣られるな!」ってことです。
他人を支配する黒すぎる心理術
騙されやすい人の根底にあるのは「誰にもいい人と思われたい」という感情です。誰からも嫌われたくない・好かれたい!そんな感情につけ込んでくるのが詐欺師や怪しい勧誘なのです。
以前どこかで面白い話を聞きました。それは「世界中を探しても、みんなに好かれる人なんて存在しない」って話。なんでだかわかりますか?それは「みんなに好かれている人のことを嫌う人がいるから」。だからみんなに好かれようとするなんて、まったくもって無意味なことなんですよね。
ところで、いつもこのブログを読んでいただいてる方は「おいおいこのオヤジいきなりどうした!?心理術なんて言い出しやがって」と思われたかもしれません。確かにそんな高尚なモノとは無縁な、至って平凡なオヤジリーマンです。
そんな僕が先日書店で偶然目にして購入した本がコチラ↓
他人を支配する黒すぎる心理術。
どうですかー・・・黒いでしょー・・・?
そう、実は今日のエントリーはこの本の書評、というか受け売りだったりするのです。
メインは沢山の心理術やテクニックの紹介であり、詐欺師に騙されないための本ではありません。今日紹介したのはこの本のほんの一部。心理学の歴史から、「表情」「しぐさ」で相手のホンネを見破る技、上司や部下との円滑な関係の築き方から恋愛に使えるテクニックなどなど。
憶えたら使ってみたくなるような心理術が沢山書かれていますので、興味のある方には是非オススメ!
【まとめ】騙されない人間になるには
↑この記事の最後に、「マルチ商法などに騙されないようにするためにはどうしたらよいのか」と持論を述べてますが、この「黒すぎる心理術」によりそれらが証明される形になりました。
大事なのはやはり「冷静になること」。
気持ちが昂ったり焦ったりしているような状況下で、人はまともな判断などできません。まずは落ち着いて冷静に状況を見極めること。
「ちょっと考えさせてほしい」と申し出るのは悪いことでは無く当然のことです。「お得なのは今だけだよ!あなただけに教えますよ!」なんて言われても、「そんなお得な情報ならもっと大事な人に教えてあげないの?」なんて考えてみたり、「おいしい話にはきっと裏があるはずだ」と疑ってみたり。
情報を収集・分析することも大事です。集めた情報を比較検討し、本当の価値を知る。それにより不当な金額や代価を支払う危険性も減るのです。
騙されないためにはこのような「人の内面にある本質=心理学」を勉強することから始めてみるといいかもしれませんね。
以上です!しろうめず@ShiroUmezでした。
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