こんにちは、しろうめず@ShiroUmezです。
以前、子供に対しお金のあり方をどう教えたらよいのかという考えを綴った記事を公開しました。
その中で「ご褒美」「報酬」としてのお金の有難味を教えるのはどうかという話にもなりました。
最終的に僕は、お手伝いなどのご褒美や報酬を子供に渡す事自体を控えようという結論に至ったんですね。理由は、子供がいつも報酬目的で動くようになり、奉仕(ボランティア)の心が育まれないんじゃないかって心配を抱いたから。
でもほんとにそれでいいのかな?ご褒美ってそんなにいけないことなのかな?そもそもご褒美を与えると本当に奉仕の心が育まれないのか?
記事公開後も煮え切らない想いを抱きながら過ごしていた僕ですが、先日これらの悩みを豪快に払拭してくれそうな書籍に出会ったんです。その名も【「学力」の経済学】。
ゲームは本当に子供に悪影響を与えるの?
データに基づいた「答え」がある!
この書籍は、教育経済学者という立場である著者が、子育てや教育について、データに基づいた分析を行ったうえでのアドバイスがまとめられたもの。
「これをするときっとこうなるんじゃないかな?」「これは子供のためにならないから止めたほうがいいよね?」といった、確信の無い疑問に対する答えがここにあります。
例えば、「ゲームは本当に子供に悪影響を与えるの?」って疑問がありますよね。
悪いに決まってんだろ!人を簡単に傷付けるわ、勉強時間が少なくなるから頭は悪くなるわ、ろくなもんじゃないよ!と、どうしても感情的に思ってしまいがちなんですが、果たして本当にそうなんだろうか?
ゲームで人を傷付けると、現実世界でも人を傷付けるの?
また、ゲームを止めさせたら頭が良くなるの?即ち、ゲーム時間を親が強制的に短くしたとして、その分の時間を子供は本当に効率的に勉強に回せるの?
それらの答えは、実はちゃーんと存在してるんです。そう、答えがあるんですよ。データという確証があるんですよ既に。
データは人を冷静にさせる
データってのは、感情に流されず、議論を理論的に考え進めることができると思うんです。人を冷静にさせる効果があるわけです。
卵が先か、鶏が先か。即ち、暴力的なゲームをすると暴力的な子に育つのか、それとも元々暴力的な子がそのようなゲームを好むのか。頭の中にこの疑問に対する答えがしっかりと存在しますか?
更にその答えは感情的なものではなく、データに基づいたものですか?
この答えも、教育経済学という学問を通し、しっかりと存在しているんです。
ご褒美で子供を釣ってはいけないの?
冒頭の、僕が抱いてる心配事だってそうです。
お手伝いなどのご褒美で子供を釣ると、本当に奉仕の心が育まれないの?いつも報酬目的で動く子になっちゃうん?
それって、ただの思い込みじゃないの・・・?確証はあるわけ?
そんなおぼろげで自信の無い考えも、データに基づいて再考することができるんです。
「宿題終えたらお小遣い」と「テストでいい点ならお小遣い」
小学生以上の親御さんなら、あまりにも勉強しない子に対して「勉強したらお小遣いをあげる」なんて、ご褒美で釣ったらダメなんだろうかと考えた方もいるかもしれません。
この是非については本を読んでみてください。答えはあります。
では例えばご褒美で釣るとして、どのようにすれば効果的に釣ることが出来るんでしょうか?
- 宿題をちゃんと終えたらお小遣いあげるよ
- テストで○○点以上取ったらお小遣いあげるよ
同じ条件のように見えて、上記二つの例は大きく異なる部分が一つあります。上の例は「宿題を終える」という脳へのインプットに対する報酬であり、下の例は「テストで○○点以上取る」という学習した事のアウトプットに対する報酬ということができます。
これ、子供の学力が上がったのはどっちだと思いますか?
答えは本の中に・・・と言いたいところですが、正解を言います。正解は「宿題を終える」というインプットに対する報酬を与えた時の方。即ちそのほうが、子供の学力が上昇したという事です。
アメリカの専門教授が実験したデータに基づいた答えだそうです。普通に考えると「テストでいい点取った方」だと思うでしょ?僕はそう思ったんだけど、違いました。
ちなみに「インプット」にはその他に、「本を読む」「学校に出席し授業を受ける」などがあります。
ご褒美目的で勉強するようになるんじゃ・・・
ご褒美を与えて勉強させると、子供がご褒美目的でしか勉強しなくなるんじゃないの?という心配が生まれますよね?
上記の実験を行った専門教授、ハーバード大学のフライヤー教授はこのあたりのことについても検証を行っています。実験後、ご褒美を与えられた子供たちと与えられなかった子供たちへのアンケート調査を行ったところ、双方に「勉強に対する楽しさ」の違いが見られなかったらしいんです。
この「勉強に対する楽しさ」を調査するための具体的なアンケート内容まではわかりません。その辺りをもう少し知りたいと感じました。
ご褒美内容にお金はアリ?
ご褒美にお金を渡すと、お金のためにしか動かない子になるんではないか?という疑問についてもデータが答えを出しています。
正解は「与え方による」。なるほど、この辺り、臨機応変って感じでしょうかねw
この教授はお金というご褒美を与えると同時に、銀行口座を作らせたり、家計簿をつけさせるという付加的なものも同時に行っていたらしいんです。すると子供たちは、無駄遣いどころか貯蓄することを覚え、堅実なお金の使い方をするようになったというのです!
これが「与え方による」の中身ですね。これがうまくいくなら、僕も子供がもう少し大きくなったら是非やってみようかな。「ご褒美」&「口座通帳+お小遣い帳」を渡すこと。
【まとめ】「なんとなく」を「自信を持って」に変える一冊
書ではこの他に、僕の中で確信していた「ほめて伸ばす育児」への是非もまとめられていました。「はじめに」で書かれているこの疑問に対する答えは「NO!」。
- ほめ育てはしては「いけない」
とはっきり書かれています。な、なんと・・・。
もちろんこの答えも、具体的なデータとともに納得のいくようまとめられています。興味のある方は読んでみてください。
僕はこの本をたまたま近所の書店で手に取り、パラパラっとめくったあとにkindle本にて無料版をダウンロードし、購入しました。
「このほうが子供にとっていいんじゃないか」と、自信が持てないままなんとなく我が子に接しているようなお父さん・お母さんに是非読んでほしい一冊です。
以上、しろうめず@ShiroUmezでした。
【関連記事】